@the East」は斜体] の一篇「九州學生」の中で、日本の高等學校の生徒は、英語の單純な文體に慣れてゐない。小さい言葉よりも大きい言葉を擇び、平易な短い文章よりも長い複雜な文章を書く一般の傾向がある。恐らく之は譯讀に比較的難しい書物を使つてゐるせゐでもあらう。簡單な語句を用ゐる所謂英語の慣用的の言ひ表はし方は日本の學生には仲々困難のやうである。そして之は結局東西兩民族の心理的相違に基づくものである。自分は此の傾向を矯正せんが爲に先ず時々單文で、しかも一綴りの字で面白い物語などを書いて見せたり、又一方その題の性質上簡單に書かねばならぬやうな、例へば「學校へ初めて行つた日」といふ作文を書かせて可成り成功したことがあつた。といふ意味のことを言つてゐる。會話、作文の教授に於いて參考になることゝ思ふ。
Basic の進んだ段階に於いて250の熟語、又更に進んだ段階に於いて讀書用のもう250の熟語が規定せられてをり、これによつてスミス(L.P. Smith)も指摘してゐるやうに、多くの動詞の使用を節約し得るのであるが、これ等の熟語の習得は學習者にとつて困難ではなからうか、との懸念が Basi
前へ
次へ
全102ページ中86ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
高田 力 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング