ェ、又これ等と前置詞、副詞とを組合せて數千の動詞の働きをさせることは既に述べた通りであるが、この爲に Basic は極めて慣用的な英語になつてゐる。これに就いて筆者は曾て或る知名の先輩から親しく聞いた事で、非常に面白く思つたことがある。それはさる有名な經濟學者が滯英中英語に堪能なる或る日本紳士が英人と話してゐるのを側で聞いてゐたが、後に述懷して、あの人達は get, put, have, do や on, in, at などを盛んに使つてゐるが、實に流暢に話が進んで行く、と驚嘆して語つた、といふことである。故に英語の活用の眞の知識を養はんとするならば、どうしても如上のアングロ・サクソン語系の基本動詞の活用に習熟しておくことが極めて必要である。さうでないと難しいことは解るが、卑近のことは、通じないといふ矛盾が屡※[#二の字点、1−2−22]生ずることがある。故に英語學習の初期に於いてこれ等の基本動詞の用法を徹底的に教へ込むことが、英語研究の全體的見地からみて、結局は有效ではなからうか。教師として極めて卓越した才能をもつてゐた小泉八雲もその Out of the East[#「Out of
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