モことであつた。
 ところが、やがてオグデン氏は此等の問題を解決する鍵を見出した。氏は兼ねて、ファイヒンガー(Hans Vaihinger, 1852−1933. ドイツの哲學者)の Die Philosophie des Als Ob[#「Die Philosophie des Als Ob」は斜体]1(The philosophy of 'As if')を讀み、1924年にその英譯2を刊行したのであるが、その頃より益々ベンタム(Jeremy Bentham, 1748−1832. 英國の法理及び倫理學者)の言語哲學の研究の必要を痛感し、熱心にベンタムを讀み始めた。當時オグデン氏は動詞(verbs)の性質の研究に當つてゐたが、ベンタムの言語觀から得た暗示によつて大いに力づけられて更に檢討を進めて、遂に所期の目的を達することが出來たのである。「Basic の考案の仕事の總ての段階に於いてベンタムの『虚構の理論』(Theory of Fictions)は極めて貴重なる助力を與へてくれた。所謂動詞組織を國際語といふ目的の爲には、解體し得るであらう、といふ考へに對するベンタムの支持が、少くとも
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