ng) a move,1或は put (a thing) in motion.
 Push = Give a push to (a thing).
 Pull = Give a pull to (a thing).

 1 ベンタムは人が動詞を用ゐる場合に好んで動詞状名詞を用ゐ、又例へば to move と言ふところを、to give motion と言つたさうである。それは、名詞の motion といふ語が一つの實體的の「もの」であるかのやうに考へられて、意味が餘程明かになるからであつた(C.K. Ogden : Bentham's Theory of Fictions[#「Bentham's Theory of Fictions」は斜体], Introduction, cvii)。

 それ故に實際には、十個の「作用詞」に、be(存在)、seem(be に反對の意味の附屬語)及び have(所有する)の「作用詞」としての用法を加へれば、それで必要な事は全部言ひ表はすことが出來ることになる。2以上 Basic に於ける動詞排除について述べたのであるが、次に其の他の語彙の制限に當つて Basic の採つた方法を説明しよう。

 2 C.K. Ogden : Basic English[#「Basic English」は斜体], pp.53−7.

            2. 贅語の排除

 Basic はその制限した語彙が國際補助語として、又英語教育の具として、有效であるならば、1,000語以下を以て間に合はせるといふ建前で語彙の整理を始めたのであるが、先づ最初に7,500の最も有用なる語彙を選び、それを基礎として、先づ4,000の普通の動詞を排除することが出來た。同時に他の語彙に對する第一次の制限によつて1,500語を減じて茲に2,000語が殘つた。更にこれを精査して遂に Basic 850語を得たのである。これ以下の語數では、どうしても英語としての語法に非常な無理が生ずるといふのである。而してその基本語彙の調査には語の行動を明かに知り、且つその使用價値を極めて正確に驗めし得るやうな次頁に示す贅語排除器(Panoptic Eliminator)即ち、放射式一覽圖表(Panoptic Chart)を發明して、これを用ゐたのである。
[#「放射式一覽圖表」のキャプショ
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