簡單なる動作
 2. 複雜なる動作
 3. その他の注意
※[#ローマ数字5、1−13−25]. ベーシックと英語教育
※[#ローマ数字6、1−13−26]. 文例
[#改丁]

          ※[#ローマ数字1、1−13−21]. ベーシック英語

 Basic English(基本英語)は如何なる英語であるか簡單に言ふならば、元來多くの點で最も簡易化の可能性に富む英語の持つ用辭上の特異性を利用して、複雜なる思想をも、人間の生活意識に最も必要なる要素的な語彙のみで言ひ表はし得るやうに、大英語を合理的に壓縮整理して得た、それ自體有機的な一つの纒つた組織を成す簡易化された小英語とも言ふべきものである。而して、英語が世界に於いて通用範圍が最も大きいと言ふ點から、極めて短期間に習得しうる國際補助語とする意圖を以て、英國ケムブリッヂの言語心理學者オグデン(C.K. Ogden, 1889− ――)氏によつて、多年苦心研究の結果案出されたものである。
 Basic English の組織の主體を成すものは850語であつて、それを分類すれば、「作用詞」(operators)と名づける動詞16語、助動詞 may(might), will(would)(及び「作用詞」中の be, do, have も助動詞として用ゐる)、前置詞、接續詞、冠詞、代名詞、副詞等100語、一般的な事物の名(名詞)が400語、繪に描き得る物の名が200語、及び性質を表はす語(形容詞)が150語(其の中、50語は good に對して bad;clean に對して dirty の如く反對の意味を表はすもの)となつてゐる。此等の語を運用する文法は普通の英語と同じで、名詞の複數には 's' を附け、300の名詞及び少數の形容詞(普通の英語で動詞としても用ゐられるもの)の語尾に '−er' ('−or'),'−ing', 及び '−ed' を附けて派生語(例へば、support から supporter 支持(扶養)する人、味方、賛成者、supporting 支持(扶養)して、支持(扶養)すること、supported 支持(扶養)されて)を作り、副詞は形容詞に '−ly' を附け、比較は '−er', '−est' の語尾を用ゐると共に 'more', 'most' で示す。所有を示すには '−'s' 又は 'of' を用ゐ、形容
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