, get;take, put;come, go;keep, let;make, say, see, send, do, have, be 及び seem)を選び、これを「作用詞」(operators)と稱し、これ等に最も基本的なる20語の「方向詞」(directives)即ち前置詞(或は副詞)about, across, after, against, among, at, before, between, by, down, from, in, off, on, over, through, to, under, up, with を結合して、他の動詞の働きをさせるのである。此の方法によつて、實驗の結果優に4,000個の普通の動詞を排除することが出來るとオグデン氏は言つてゐる。此等16個の「作用詞」は何れも簡單な有形の動作を表はすもので、極めて理解し易い。普通の英語でも此等の動詞を用ゐないでは、英語として成立しないと言つてもよいのである。英語の動詞の中で缺く可らざるものである。此等の基本的動詞は單獨でも盛に用ゐられるが、又極めて變通自在のものであつて、他の語と結合して極めて多くの働きをするものである。
此の分解的の言ひ方は殆ど英語に於いてのみ可能であると言はれてゐる。これが英語が簡易化といふ目的に最も適する所以である。語尾變化に依る組織は言葉の簡易化を極めて阻碍するものであつて、現代の總てのラテン系統の國語には、その根元たるラテン語の傾向がなほ餘りにも著しくあらはれてゐる。然るに英語はその歴史的發達の示すが如く、次第に綜合的より分析的に進み、遂に近代英語に至つて、殆ど語の活用即ち語尾變化を失つて單純化せられ、前置詞及び助動詞をもつて、これに代へるやうになつたからである。近代英語はこの點で支那語に似てゐると言ひ得るであらう。英語の此の一大特徴を Basic は利用したのである。英語には常に同じ意味を言ひ表はすのに二樣の仕方がある。即ち、ラテン語やフランス語から來た綜合的なものと、英語本來の分析的なものとである。此の後者を活用する Basic が英語として慣用的であると言ひ得るのも此の爲めである。
次の Basic で書かれた小話*は「作用詞」に伴ふ「方向詞」の働きをよく示してゐる。
The dog went―
after[#「after」は斜体]
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