の、母親のほうからは宗教的奇人《ユロージウイ》の性質を受け継いだんだ。何を震えるんだ? それとも図星をさされたのかい。ときにね君、グルーシェンカが僕に頼んだんだぜ、『あの人を(つまり君のことさ)連れて来てちょうだい、あたしあの人の法衣を脱がしちゃうから』ってさ。そりゃあ、全く熱心に頼むんだ、連れて来い連れて来いって! 僕あ考えちまったよ、なんだってこの女は、こうまで君に興味を持つのかと思ってさ。ねえ君、あれであの女も、なかなか非凡な女だよ!」
「よろしく言って、僕は行かないと伝えてくれたまえ」ここでアリョーシャは苦笑いをした。「それよりかミーシャ、言いさしたことを話してしまいたまえ。後で僕の考えを話すから」
「話してしまうもしまわないもありゃしない、何もかも明白だあね。こんなこたあ古臭い話だよ。もし君の中に好色漢が隠れているとすれば、同腹の兄さんのイワンはどうだろう? あの人もやはりカラマゾフだからね。ここに君たちカラマゾフ一族の問題が潜んでいるのさ。――好色漢と、守銭奴と、宗教的奇人《ユロージウイ》か! 今イワン君は無神論者のくせに、何か恐ろしくばかげた、わけのわからない目算のために
前へ
次へ
全844ページ中224ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
中山 省三郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング