?」と用心深くヨシフ神父が尋ねた。
「本当に、これはいったい何事です!」ミウーソフは突然、堰《せき》でも切れたように叫んだ。「地上の国家を排斥して、教会が国家の段階に登るなんて! それは法王集権論《ウルトラモンタニズム》どころじゃなくなって、最上法王集権論《アルキウルトラモンタニズム》だ! こんなことは法王グリゴリイ七世だって夢にも見なかったでしょうよ!」
「あなたはまるで正反対に解釈しておいでです!」とパイーシイ神父がいかつい声で言った。「教会が国家になるのではありません、このことを御了解ください。それはローマとその空想です。それは悪魔の第三の誘惑です! それとは正反対に、国家のほうが、教会に同化するのです、国家が教会の高さまで登って全世界にまたがる教会となってしまうのです。これは法王集権論とも、ローマとも、あなたの御解釈とも全然正反対で、これこそ地上におけるロシア正教の偉大なる使命なのです。やがて東のかなたよりこの明星が輝き始めるのであります」
 ミウーソフはしかつめらしく押し黙っていた。その姿にはなみなみならぬもったいらしさが現われていた。高い所から見おろしたような、大様な微笑が
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