い、くよくよすることもいらぬ。ただそなたが懺悔の心を衰えぬようにしさえすれば、神様は何もかも許してくださるのじゃ。それに、真実心に後悔しておる者を神様が許してくださらぬような、そんな罪業は、けっしてこの世にあるものではない、またあるべきはずもないのじゃ。それにまた、限りない神様の愛をさえ失ってしまうような、そんな大きな罪が犯せるものではない。それとも神様の愛でさえ追っつかぬような罪でもあるというのか? ひたすら怠りなく、懺悔精進して、恐ろしいという心を追いのけるがよい。神様はそなたのとうてい考え及ばぬような愛を持っていらっしゃるぞ、たとえそなたに罪があろうとも、そなたの罪のままに、そなたを愛していらっしゃるということを信じなされ。一人の悔い改むるもののためには、十人の正しきものによってよりも、天国に喜びは増すべけれと、昔から言ってある。さあ帰りなされ、恐れることはない。人の言うことを気にしたり、侮蔑《ぶべつ》に腹を立てたりしてはならぬ。死んだ配偶《つれあい》がそなたをはずかしめたことはいっさい許して、真底から仲なおりをするのじゃ。もし後悔しておるとすれば、つまり愛しておるのじゃ、もし愛
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