う。日本ラインの夕焼にだ。
ああ白帝城が見え出した。
香木峡から四十分、彩雲閣の河原に著いて、上ると、その白帝城のカンツリー・クラブの前へ、無料休憩所の方から、驚いたスピードで大型の昆虫の黒に藍の自動車が駛つて来た。ハンドルを両手に、パナマを阿弥陀に頭の毛を振り振り、例の快活な笑ひの持主だ。
「や、万歳、勝負無し。」
底本:「現代日本紀行文学全集 中部日本編」ほるぷ出版
1976(昭和51)年8月1日初版発行
初出:「東京日日新聞」「大阪毎日新聞」
1927(昭和2)年7月
※初出紙に「木曽川」と題して連載したものの一部である旨が、底本の巻末に記載されている。
※底本の「馬+央」(九箇所)は、「駛」に置き換えました。
※疑問箇所の確認にあたっては、「白秋全集 22」岩波書店、1986(昭和61)年7月7日発行を参照しました。
入力:林 幸雄
校正:浅原庸子
2004年5月11日作成
2007年9月6日修正
青空文庫作成ファイル:
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