ネの、槍のさき。
槍は槍持、供ぞろへ、
さつと振れ、振れ、白鳥毛。
槍は※[#「金+肅」、第3水準1−93−39]びても名は※[#「金+肅」、第3水準1−93−39]びぬ。
殿につきそふ槍持の槍の穂さきの悲しさよ。
いつも馬上の寛濶に、
殿は伊達者のよい男、
さぞや世間《せけん》の取沙汰に
浮かれ騒ぐも女なら。
そこらあたりの道すぢの紺の暖簾《のれん》も気がかりな。
槍は九尺の銀なんぽ、
槍を持つ身のしみじみと、涙流すもつとめ故、
さりとは、さりとは、供奴《ともやつこ》、
雪はふるふる、日は暮れる。
やあれ、やれ、しよんがいなの、槍のさき。
[#地から3字上げ]四十五年三月
CHONKINA.
[#ここから横組み]“Chonkina! chonkina!
Chon−chon kina−kina!
Chon ga nanoso de,
Cho−chon ga yoi! ……”[#ここで横組み終わり]
「赤《あか》い夕日《ゆふひ》、
活動写真《くわつどうしやしん》見《み》たいなキラキラが、あのやうに、あれ、御覧《ごらん》な。
お向《むか》ふの三層楼《さんがい》の高《たか》い部
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