の太陽は酒倉に照る。
全神經を投げいだせ、
紫の金の蜥蜴《とかげ》のかなしみは
素肌をつけてはしりゆく、
いら草の葉に、韮《にら》の葉に。
げに、幻想のしたたりの
恐れと、をののきと、啜泣き、
匿《かく》しきれざる性のはづみを彈ねかへせ、
美くしきわが夢の、笛の喇叭の春の曲。
晝のゆめ
酒倉の強き臭《にほひ》を嗅ぐときは
夏のさみしく、
油屋の黄なる搾木《しめぎ》をきくときは
秋のかなしく、
少年の感じ易さは、怪しさは、
あはれ、ひねもす、
金文字の古き蘭書に耳をあて
黒猫の晝の瞳に見るごとく、
冬もゆめみぬ、ゆゑわかぬ春のシムフオニイ。
朱欒のかげ
弟よ、
かかる日は喧嘩《いさかひ》もしき。
紫蘇《しそ》の葉のむらさきを、韮《にら》をまた踏みにじりつつ、
われ打ちぬ、汝《なれ》打ちぬ、血のいづるまで、
柔《やはら》かなる幼年の體《からだ》の
こころよく、こそばゆく手に痛《いた》きまで。
豚小屋のうへにザボンの實黄にかがやきて、
腐れたるものの香に日のとろむとき、
われはまた汝《な》が首を擁《いだ》きしめ、擁きしめ、
かぎりなき夕ぐれの味覺に耽る。
ふくれ
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