みて蝋《らふ》の火の消ゆるまで
無花果《いちじゆく》の乳《ち》をすすり、ほのぼのと
歌はまし、汝《な》が頸《くび》の角《つの》を吹け。
わが佳※[#「耒+禺」、第3水準1−90−38]《とも》よ、鐘きこゆ、野に下りて
葡萄|樹《じゆ》の汁《つゆ》滴《した》る邑《むら》を過ぎ、
いざさらば、パアテルの黒き袈裟《けさ》
はや朝の看経《つとめ》はて、しづしづと
見えがくれ棕櫚《しゆろ》の葉に消ゆるまで、
無花果《いちじゆく》の乳《ち》をすすり、ほのぼのと
歌はまし、いざともに角《つの》を吹け、
わが佳※[#「耒+禺」、第3水準1−90−38]《とも》よ、起き来れ、野にいでて
歌はまし、水牛《すゐぎう》の角《つの》を吹け。

  ほのかなる蝋の火に

いでや子ら、日は高し、風たちて
棕櫚《しゆろ》の葉のうち戦《そよ》ぎ冷《ひ》ゆるまで、
ほのかなる蝋《らふ》の火に羽《は》をそろへ
鴿《はと》のごと歌はまし、汝《な》が母も。
好《よ》き日なり、媼《おうな》たち、さらばまづ
祷《いの》らまし賛美歌《さんびか》の十五番《じふごばん》、
いざさらば風琴《オルガン》を子らは弾け、
あはれ、またわが爺《お
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