するその声は、
つゆうそのないいいしらせ。
小鳥の卵すするゆえ、
なく音《ね》すずしいかっこ鳥、
はやもなきます、かっこうと、
夏がもうじきまいります。
[#改ページ]
豆こぞう
豆んちょの家《うち》の、
豆んちょのこぞうっこ、
よその養魚池《かいぼり》へおしかけて、
魚《さかな》をぴんぴとつりあげた。
[#改ページ]
ソロモン・グランディ
ソロモン・グランディは、
月曜日にうまれて、
火曜日に洗礼うけ、
水曜日に嫁とったが、
木曜日には病気になり、
金曜日にずんと重《おも》って、
土曜日におっ死《ち》ぬちゅうと、
日曜日にはうめられた。
ソロモン・グランディの御一代《ごいちだい》。
そこでおしまい、ちゃァんちゃん。
[#改ページ]
かえるの殿御《とのご》
お池にござるはかえるどの、
お池にござるはかえるどの、
はつかねずみは粉小屋《こなごや》に。
相手ほしやのかえるどの、
相手ほしやのかえるどの、
でんでんむしの背中にうちのって。
はつかねずみのお宿《やど》まで、
はつかねずみのお宿まで、
そこで戸たたく、ものもうす。
「はつかねずみのお姫《ひい》さま、わた
前へ
次へ
全62ページ中43ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
北原 白秋 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング