つまみあげておとりな。
その日いちんちいいことばかり。
お針みつけてそのまましときゃ
その日いちんちわるいことばかり。
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風よ、ふけ、ふけ
風よ、ふけ、ふけ、
ひきうすまわせ、
粉屋粉ひき、
パンやさんがこねて、
朝はほやほやふかしたて。
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気軽な粉屋
気軽な粉屋が
デイ河《かわ》にござる。
朝から晩まで
はたらいちゃうたう。
ふざけてばっかり、
一つことばかり、
おきまり文句で
一つことばかり。
『だれにかまうもんか、いやいや、わたしゃ、よ。
だれがかまうかよ、このわしに。ホイソラ、ホイソラ』
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いなかっぺえ
いなかっぺいのおたずねだ。
『いちごが何本海にある』
うまく返事をしてのきょか。
『何匹《なんびき》にしんが森にいる』
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おかごのばあさん
おばあさんがひとりおかごにのって、
ふらふらあがる。
月よりたかく、九十倍《くじゅうばい》もたかく、
どこへゆくのか、きこうにもきけず、
お手々にほうきをもって、あれあれあがる。
『おばあさん、おばあさん、おばあさん、
どこへゆくの、どこへ、
そんなにた
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