トさん、三百屋《さんびゃくや》、
ベッドを売って、
わらの上へごろりよ。
そのわら売って、
草の上へごろりよ。
そしておかみさんに姿見鏡《すがたみ》一つ買《こ》うてくりょ。
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 お釘《くぎ》がへれば

お釘《くぎ》がへれば、
蹄鉄《かなぐつ》うせる。
蹄鉄《かなぐつ》へれば、
おうまがうせる。
おうまがへれば、
のりてがうせる。
のりてがへれば、
戦《いくさ》がうせる。
戦《いくさ》がないと、
王さまのお国ゃうせる。
おうまの蹄鉄《かなぐつ》がへったせいでよ。
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 二十四人の仕立屋

二十四人の仕立屋が
ででむしころしに、えっさっさ。
めったにしっぽにゃふれまいぞ。
そりゃこそででむしが角《つの》だした、
ちっちぇえカイロうしそっくりだ。
にげにげ、にげなきゃいまにもころされる。
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 ででむし角だせ

ででむし、ででむし、角だせや、
お父《とう》さんもお母《かあ》さんもしんでしもうた。
おまえの御兄弟姉妹《ごきょうだい》は裏《うら》ん口《くち》の庭で
パンをおくれェと乞《こ》うている。
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 お針みつけたら

お針みつけたら
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