ャックは卵をうりにでる。
それをかおうと猶太人《ジュウ》の悪者《わる》、
おもう半値もつけないで、
うまうまジャックをちょろまかす。

ジャックはお嫁とりにゆきまする。
むこうのおじょうさん華美《はで》好きで、
それはかわいい、うつくしい、
花の山査子《さんざし》、百合《ゆり》みたよう。

ところへ、あとからつけまわす
猶太人《ジュウ》とおしゃれのおべっか屋、
脇腹《わきばら》めがけて、ぶってやろと、
かわいそなジャックにつっかかる。

そのときすばやく、すっときたは、
マザア・グウスのおばあさん、
杖《つえ》でジャックをちょいと打ちゃ、
道化の*ハアレクインにはやがわり。

つづいて、おばあさんが杖あげて、
きれいなおじょうさんをちょいと打ちゃ、
すぐにその子もはやがわり、
それこそかわいい**コランバイン。

金の卵は海の中、
どさくさまぎれにほうられる。
だけど、ジャックがとびこんで、
またももとへととりかえす。

それで、めすがちょうとった猶太人《ジュウ》のやつ、
ころしちまえといきまいた、
割《さ》いて、こいつを売っとばしゃ、
ポケットにたんまり金もうけ。

ジャックのお母さ
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