ここから2字下げ、ページの左右中央に]
序詩
[#ここで字下げ終わり]
[#改ページ]
マザア・グウスの歌
マザア・グウスのおばあさん、
いつもであるくそのときは、
きれいながちょうの背にのって、
空をひょうひょう翔《か》けてゆく。
マザア・グウスのすむ家《いえ》は、
一つ、ちんまり、森の中、
戸口にゃ一羽の梟《ごろすけ》が
みはりするのでたっている。
むすこがひとりで名はジャック、
その子まずまずお人よし、
ずんとよいことせぬ代わり、
ずるいわるさもようしえぬ。
市場《いちば》へジャックをやったれば、
めすのがちょうを買ってくる、
「まあまあ、お母さん、みておいで、
そのうちいいこともあるでしょよ」
それからがちょうのめすとおす
なかよしこよしであそんでる。
いつもいっしょに餌《え》をたべて、
ガアガア、お池におよいでる。
ある朝、ジャックがいってみりゃ、
(ほんに話によくきいた)
金の卵がありまする。
うんでくれたはめすがちょう。
金の卵だ、はよ告《つ》げよ、
ジャックはお母さんへとんでゆく。
お母さんもほくほくごきげんだ。
「それはよかった、おおできじゃ」
ジ
前へ
次へ
全62ページ中10ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
北原 白秋 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング