や、ねんねや、おねんねや、
ぼうやがお父《とう》さんひつじ守《も》り。
お母《かあ》さんはねんねのねむりの木、
ねんねやねんねとゆすりましょう、
ゆすればお夢がふりかかる。
ねんねや、ねんねや、おねんねや。
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こびっちょの子供は
こびっちょの男の子はなんでつくる、なんでつくる。
こびっちょの男の子はなんでつくる。
かわずとででむしとこいぬのしっぽでつくられた。
それそれ、こびっちょの男の子がつくられた。
かわいい女の子はなんでつくる、なんでつくる。
かわいい女の子はなんでつくる。
おさとうに薬味《やくみ》に、あまいものずくめ。
それそれ、かわいい女の子がつくられた。
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ねんねこうた
ねんねこ、ねんねこ、ねんねこや。
なァいてお母《か》さんをなかすなや、
なかれりゃわたしもつろござる。
ねんねこ、ねんねこ、ねんねこや。
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はしっこいジャック
はしっこいジャック、
すばやいジャック、
ろうそくたて一つ、
ジャックが
とびこした。
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ででむし、でむし
ででむし、でむし。
ぬすっとがくるぞ、おめんちの壁を
ぶっこわしにくるぞ。
ででむし、でむし。
その角だせよ。
ぬすっとがくるぞ、小麦をとりに、
ぬすっとがくるぞ、夜あけの四時に。
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一列《いちれつ》こぞって
一列《いちれつ》こぞって、
弓をひき、
おはとを射ったら、
からすめをころした。
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ででむし
ででむし、ででむし、角だせや。
パンとお麦を、それ、あげよ。
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おりこうさん
とてもがむしゃら、おりこうさん、
いきなりばんばら藪《やぶ》へとびこむと、
眼玉《めだま》がポンポンひんむけた。
おやおやっ、眼玉がつん出たら、
それこそこんどはくそ力、
横っちょの小藪へとびこんだ。
そしたら眼玉がすっこんだ。
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おしゃべり
やまがらのおしゃべり、
お舌《した》がさけよぞ。
町じゅうのいぬが
ちんぢんにかんじゃうぞ。
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ハアトのクイン
ハアトのクインが饅頭《タアト》をつくられた。
みんなできたよ、夏の日いっぱいかァかった。
ハアトの兵士《ネイブ》が饅頭《タアト》をぬゥすんだ。
こいつしめたとそっくりもってにげてった。
ハアトのキングが饅頭《タアト》とおっしゃった。
そりゃこそたいへん、兵士《ネイブ》を御折檻《ごせっかん》なすった。
ハアトの兵士《ネイブ》が饅頭《タアト》をかえした。
まっぴら閉口《へいこう》して、もうもういたしません。
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コケコッコおどり
コケコッコ、コケコッコ、コケコッコ。
おくさんがおくつをなァくした。
だんなさんがヴァイオリンの弓をなくし、
どうしていいのかおおよわり。
コケコッコ、コケコッコ、コケコッコ。
おやおや、おくさんどうなさる。
だんなさんがヴァイオリンの弓をさがす、
それまで、はだしでおおどりか。
コケコッコ、コケコッコ、コケコッコ。
おくさんがおくつをなァくした。
だんなさんがヴァイオリンの弓をみつけ、
それきた、コケコッコ、コケコッコ。
コケコッコ、コケコッコ、コケコッコ。
さあさあ、おくさん、それおどろ。
だんなさんがヴァイオリンの弓をこすり、
それそれおどれと、コケコッコ。
コケコッコ、コケコッコ、コケコッコ。
おくさんがおくつをなァくした。
ねてもねられずおおよわり、
頭の髪毛《かみげ》もめっちゃくちゃ。
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でんでんむしむし
でんでんむしむし、
角ひけよ。
ひかなきゃ山椒《さんしょ》の粒《つぶ》ふりかける。
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おばあさんとむすこ
ひとりのおばあさんと三人のむすこ、
ジェリイ、ジェムス、それにまたジョンよ。
ジェリイは首くくった。ジェムスはおぼれた。
ジョンはどこかへいなくなってしまった。
だァれもみつけたものがない。
三人のむすこがみんなしんでしまった。
ジェリイ、ジェムス、それにまたジョンよ。
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てんとうむし
てんとうむし、てんとうむし、
はよう家《うち》へかえれ、
おまえの家《うち》ゃ火事だ。
みんな子供がやけしんだ。
むすめのアンヌがたったひとり、
プッジングのなべの下に
つんぐりむんぐりもぐった。
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あったかいパン
あったかいパン、
あったかい、あったかい、あったかいパン。
一ペンニイで一つ、二ペンニイで二つ、
あったかいパン。
おまえにむすめがないならば、
おまえのむすこにおあげなえ。
一ペンニイで一つ、二ペンニイで二つ、
あったかいパン。
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ゴットハムの三りこう
さてもゴットハムの三りこう、
おわんにのっかって海
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