つまみあげておとりな。
 その日いちんちいいことばかり。

お針みつけてそのまましときゃ
 その日いちんちわるいことばかり。
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 風よ、ふけ、ふけ

風よ、ふけ、ふけ、
ひきうすまわせ、
粉屋粉ひき、
パンやさんがこねて、
朝はほやほやふかしたて。
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 気軽な粉屋

気軽な粉屋が
デイ河《かわ》にござる。
朝から晩まで
はたらいちゃうたう。
ふざけてばっかり、
一つことばかり、
おきまり文句で
一つことばかり。

『だれにかまうもんか、いやいや、わたしゃ、よ。
だれがかまうかよ、このわしに。ホイソラ、ホイソラ』
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 いなかっぺえ

いなかっぺいのおたずねだ。
『いちごが何本海にある』
うまく返事をしてのきょか。
『何匹《なんびき》にしんが森にいる』
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 おかごのばあさん

おばあさんがひとりおかごにのって、
ふらふらあがる。
月よりたかく、九十倍《くじゅうばい》もたかく、
どこへゆくのか、きこうにもきけず、
お手々にほうきをもって、あれあれあがる。
『おばあさん、おばあさん、おばあさん、
どこへゆくの、どこへ、
そんなにたかくあァがって』
『円天井《まるてんじょう》のすすはきじゃ』
『はァやくかえってちょうだいよう』
『あい、あい。ちょっくら、いますぐだ』
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 すっとんきょうな南京《なんきん》さん

すっとんきょうな南京《なんきん》さんがお三《さん》かたござった。
それは皆さまとくより御承知だ。
きゃっきゃさわいで猟《かり》にとでかけた。
しかも、めっそうもない、安息日《あんそくび》にでござる。

永《なが》のいちんち、猟《かり》をしてまわり、
これというもの根っから葉っからみつからない。
一つみつけたは帆《ほ》かけた船よ。
それが追風《おって》にしゅっしゅっとはしった。

「あれは船だ」と一番さきのがいいだした。
「なんの、うそだ」と二番目のがうちけした。
「あれは家《うち》さ」と三番目のがいいのけた。――
「こわれ煙突《えんとつ》までとっついてるじゃないかいな」

永《なが》の一晩《ひとばん》猟《かり》をしてまわり、
これというもの根っから葉っからみつからない。
一つみつけたはおすべり屋のお月さんだ、
それがふかれてつるつるとすべった。

「あれはお月さんだ」と一番さきのがいいだした。
「なんの、うそだ」と二番目のがうちけした。
「あれはチイズさ」と三番目のがいいのけた。――
「二つわりにしたその半分きりさね」

またもいちんち猟《かり》をしてまわり、
これというもの根っから葉っからみつからない。
一つみつけたは木いちごやぶのはりねずみ。
それをうしろにとおりすぎてしまう。

「あれははりねずみだ」と一番さきのがいいだした。
「なんの、うそだ」と二番目のがうちけした。
「あれは針さしさ」と三番目のがいいのけた。――
「よくもめちゃくちゃにお針をさしたもんだすな」

またも夜っぴて、猟をしてまわり、
これというもの根っから葉っからみつからない。
一つみつけたはかぶら畑《ばたけ》の野うさぎだ。
それをみすててまたいってしまう。

「あれは野うさぎだ」と一番さきのがいいだした。
「なんの、うそだ」と二番目のがうちけした。
「あれはこうしさ」と三番目のがいいのけた。――
「あいつ、めうしにおきざりされたやつだんね」

またもいちんち、猟をしてまわり、
これというもの根っから葉っからみつからない。
みたは洞木《うろぎ》の分別顔《ふんべつがお》のふくろうよ。
それをうしろにまたいってしまった。

「あれはふくろうだ」と一番さきのがいいだした。
「なんの、うそだ」と二番目のがうちけした。
「あれはじじいさ」と三番目のがいいのけた。――
「それそれごましお頭の髪の毛をみさいな」
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 鼻まがり

あいつぁよっぽどみょうだ、まっすぐにゃゆかぬ。
そのわけしってるか、
鼻のむいたほうへむいてゆく。
どうりで、やっこさん、鼻まがり。
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 あの丘のふもとに

あの丘のふもとに
おばあさんがござった。
もしも去《い》なんだら
まだ住んでござろ。
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 あたいのめうし

あたいのめうしはちっぽけだ。
 ひょろひょろ、ひょっこり、ひょっこりよ。
あたいのめうしは、ちっぽけだ、
めうしのふくらはぎはちっぽけだ。
 ひょろひょろ、ひょっこり、ひょっこりよ。
あたいのお歌はまだなかば。

あたいのめうしはちっぽけだ。
 ひょろひょろ、ひょっこり、ひょっこりよ。
あたいのめうしはちっぽけだ。
やっとこうし小屋へおいこんだ。
 ひょろひょろ、ひょっこり、ひょっこりよ。
そこでお歌もちゃんちゃんだ。
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 ゆりかごうた

ねんね
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