れい》な若いお月様の小母さまに、みんながお飯《まんま》を見せびらかしたり、またいろんなものをせびつたりします。やはり子供の小母さまですから。

[#ここから2字下げ]
お月様《つきさま》。
観音堂《くわんのんだう》下《お》りて、
飯《まんま》上《あ》がれ。
飯《まんま》はいやいや。
あんもなら三つくりよ。(信濃)
   ※[#ビュレット、1−3−32]
お月様《つきさま》。お月様《つきさま》。
赤《あか》い飯《まんま》いやいや。
白《しろ》い飯《まんま》いやいや。
銭形《ぜにがた》金形《かねがた》ついた
お守《まも》りくんさんしよ。(岩代)
   ※[#ビュレット、1−3−32]
あとさん。なんまいだ。
ぜぜ一|文《もん》おくれ。
油《あぶら》買《か》つて進《しん》じよ。(肥前)
   ※[#ビュレット、1−3−32]
どうでやさん。どうでやさん。
赤《あか》い衣服《べべ》下《くだ》んせ。
白《しろ》い衣服《べべ》下《くだ》んせ。(陸中)
[#ここで字下げ終わり]

 そのお月様は、紅《あか》いのに桃色だと云つたとて、プリプリ怒つたのもあります。

[#ここから2字下げ]
お月様《つき
前へ 次へ
全7ページ中5ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
北原 白秋 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング