も》解《と》き放《さ》けて寝《ぬ》るが上《へ》に何《あ》ど為《せ》ろとかもあやに愛《かな》しき」(同・三四六五)、「垣越《くへご》しに麦|食《は》む小馬《こうま》のはつはつに相見し児らしあやに愛《かな》しも」(同・三五三七)等の例がある。
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植竹《うゑたけ》の本《もと》さへ響《とよ》み出《い》でて去《い》なば何方《いづし》向《む》きてか妹《いも》が嘆《なげ》かむ 〔巻十四・三四七四〕 東歌
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「植竹の」は竹林のことで、竹の根本《ねもと》から「本」への枕詞とした。家じゅう大騒ぎして私が旅立ったら、妻は嘸《さぞ》歎き悲しむことだろう、というので、代匠記以来、防人《さきもり》などに出立の時の歌ででもあろうかといっている。この巻に、「霞ゐる富士の山傍《やまび》に我が来なば何方《いづち》向きてか妹が歎かむ」(三三五七)の例がある。この歌を私は嘗《かつ》て、女と言い争うか何かして、あらあらしく騒いで女の家を立退《たちの》く趣《おもむき》に解したことがある。即ち植竹の幹の本迄響くように荒々しく怒って立退くあとで、妹を可哀くお
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