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 雑歌。「早馬駅《はゆまうまや》」は、早馬《はやうま》を準備してある駅《うまや》という意。「堤井」は、湧いている泉を囲った井で、古代の井は概《おおむ》ねそれであった。一首の意は、鈴の音の聞こえる、早馬のいる駅(宿場)の泉の水は、どうか美しいあなたの直接の手でむすんで飲ましてください、というのである。この歌も、早馬を引く馬方などの口でうたわれたものか、少くともそういう場処が作歌の中心であっただろう。そして駅には古《いにしえ》もかわらぬ可哀《かあい》い女がいただろうから、そこで、「妹が直手《ただて》よ」という如き表現が出来るので、実にうまいものである。「直手よ」の「よ」は「より」で、直接あなたの手からというのである。いずれにしても快い歌である。

           ○

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おもしろき野《ぬ》をばな焼《や》きそ古草《ふるくさ》に新草《にひくさ》まじり生《お》ひは生《お》ふるがに 〔巻十四・三四五二〕 東歌
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 こころよいこの春の野を焼くな。去年の冬枯れた古草にまじって、新しい春の草が生えて来るから、というので、「生
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