身《うつせみ》の常の辞《ことば》とおもへども継《つ》ぎてし聞けば心|惑《まど》ひぬ (同・二九六一)
あしひきの山より出づる月待つと人にはいひて妹待つ吾を (同・三〇〇二)
夕月夜《ゆふづくよ》あかとき闇のおぼほしく見し人ゆゑに恋ひわたるかも (同・三〇〇三)
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巻第十三
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相坂《あふさか》をうち出《い》でて見《み》れば淡海《あふみ》の海《み》白木綿花《しらゆふはな》に浪《なみ》たちわたる 〔巻十三・三二三八〕 作者不詳
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長歌の反歌で、長歌は、「山科《やましな》の石田《いはた》の森の、皇神《すめがみ》に幣帛《ぬさ》とり向けて、吾は越えゆく、相坂《あふさか》山を」云々。もう一つのは、「我妹子に淡海《あふみ》の海《うみ》の、沖つ浪来寄す浜辺を、くれぐれと独ぞ我が来し、妹が目を欲り」云々というので、大和から近江の恋人の処に通う趣の歌である。この短歌の意味は、相坂《おうさか》(逢坂)山を越えて、淡海《おうみ》の湖水の見えるところに来ると、白木綿《しらゆう》で作った花のように
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