キミカトと訓んだ。「若雲《ケダシクモ》」(巻十二・二九二九)、「若人見而《ケダシヒトミテ》」(巻十六・三八六八)の例がある。なお額田王の「古《いにしへ》に恋ふらむ鳥は霍公鳥《ほととぎす》蓋《けだ》しや鳴きし吾が恋ふるごと」(巻二・一一二)があること既にいった。一首は女が男を待つ心で何の奇も弄《ろう》しない、つつましい佳《よ》い歌である。そしていろいろと具体的に云っているので、読者にもまたありありと浮んで来るものがあっていい。なおこの歌の次に、「君に恋ひ寝《い》ねぬ朝明《あさけ》に誰《た》が乗れる馬の足音《あのと》ぞ吾に聞かする」(巻十一・二六五四)、「味酒《うまさけ》の三諸《みもろ》の山に立つ月の見《み》が欲《ほ》し君が馬の音《おと》ぞする」(同・二五一二)の例がある。
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窓《まど》ごしに月《つき》おし照《て》りてあしひきの嵐《あらし》吹《ふ》く夜《よ》は君《きみ》をしぞ念《おも》ふ 〔巻十一・二六七九〕 作者不詳
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第二句原文「月臨照而」で、旧訓ツキサシイリテであったのを、契沖がツキオシテリテと訓んだ。窓か
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