客観的ないい方だけれども民謡的な特徴が其処《そこ》に存じている。
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燈《ともしび》のかげに耀《かがよ》ふうつせみの妹《いも》が咲《ゑまひ》しおもかげに見ゆ 〔巻十一・二六四二〕 作者不詳
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寄[#レ]物述[#レ]思の中に分類せられている。自分の恋しい女が燈火のもとにいて、嬉しそうににこにこしていた時の、何ともいえぬ美しく耀《かがや》くような現身《うつせみ》即ち体《からだ》そのものの女が、今おもかげに立って来ている、というのである。この歌は嬉しい心持で女身を讃美しているのだから、幾分誇張があって、美麗過ぎる感があるけれども、本人は骨折っているのだからそれに同情して味う方がいい。「年も経ず帰り来《こ》なむと朝影に待つらむ妹が面影に見ゆ」(巻十二・三一三八)などと較べると、「燈のかげに」の方は覚官的に直接に云っている。
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難波人《なにはびと》葦火《あしび》焚《た》く屋《や》の煤《す》してあれど己《おの》が妻こそ常《とこ》めづらしき 〔巻十一・二六五一〕 作者不詳
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