》は謂《いわ》ゆる乙類の仮名で、形容詞として活用しているのである。結論[#「結論」に白丸傍点]、アキラケク[#「アキラケク」に白丸傍点]・コソという用法は[#「コソという用法は」に白丸傍点]、アキラケク[#「アキラケク」に白丸傍点]・コソ[#「コソ」に白丸傍点]・アラメという用法に等しいと解釈して差支ない[#「アラメという用法に等しいと解釈して差支ない」に白丸傍点]。(本書は簡約を目的としたから大体の論にとどめた。別論がある。)
以上で、大体解釈が終ったが、この歌には異った解釈即ち、今は曇っているが、今夜は月明になって欲しいものだと解釈する説(燈・古義・美夫君志等)、或は、第三句までは現実だが、下の句は願望で、月明であって欲しいという説(選釈・新解等)があるのである。而して、「今夜の月さやかにあれかしと希望《ネガヒ》給ふなり」(古義)というのは、キヨクテリコソと訓んで、連用言から続いたコソの終助詞即ち、希望のコソとしたから自然この解釈となったのである。結句を推量とするか、希望とするか、鑑賞者はこの二つの説を受納《うけい》れて、相比較しつつ味うことも亦《また》可能である。そしていずれが
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