七五〕 作者不詳
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作者不詳。春になって木が萌え茂り、またそれが山陰であるので、そうでなくとも光のうすい夕月夜が、一層薄くほのかだという歌である。巧みでない寧《むし》ろ拙な部分の多い歌であるが、「おぼつかなしも」の句に心ひかれて此歌を抜いた。「この夜《よひ》のおぼつかなきに霍公鳥《ほととぎす》」(巻十・一九五二)の例がある。
○
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春日野《かすがぬ》に煙《けぶり》立《た》つ見《み》ゆ※[#「女+感」、下−35−10]嬬等《をとめら》し春野《はるぬ》の菟芽子《うはぎ》採《つ》みて煮《に》らしも 〔巻十・一八七九〕 作者不詳
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菟芽子《うはぎ》は巻二の人麿の歌にもあった如く、和名鈔《わみょうしょう》に薺蒿《せいこう》で、今の嫁菜《よめな》である。春日野は平城《なら》の京から、東方にひろがっている野で、その頃人々は打連れて野遊に出たものであった。「春日野の浅茅《あさぢ》がうへに思ふどち遊べる今日は忘らえめやも」(巻十・一八八〇)という歌を見ても分かる。この歌で注意をひいたのは、野遊に来た娘たち
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