と》めている。そして人麿はどんな対象に逢着しても熱心に真心を籠めて作歌し、自分のために作っても依頼されて作っても、そういうことは殆ど一如にして実行した如くである。

           ○

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われも見《み》つ人《ひと》にも告げむ葛飾《かつしか》の真間《まま》の手児名《てこな》が奥津城処《おくつきどころ》 〔巻三・四二三〕 山部赤人
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 山部赤人が下総葛飾の真間娘子《ままのおとめ》の墓を見て詠んだ長歌の反歌である。手児名《てこな》は処女《おとめ》の義だといわれている。「手児」(巻十四・三三九八・三四八五)の如く、親の手児という意で、それに親しみの「な」の添《そ》わったものと云われている。真間に美しい処女《おとめ》がいて、多くの男から求婚されたため、入水した伝説をいうのである。伝説地に来ったという旅情のみでなく、評判の伝説娘子に赤人が深い同情を持って詠んでいる。併し徒《いたず》らに激しい感動語を以てせずに、淡々といい放って赤人一流の感懐を表現し了せている。それが次にある、「葛飾の真間の入江にうち靡く玉藻苅りけむ手児名しおもほゆ」(巻三・四三
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