接吻
齋藤茂吉
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)俯《ふ》して
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)稍|太《ふと》り肉《じし》で、
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「口+加」、第3水準1−14−93]※[#「口+非」、第4水準2−4−8]《コーヒー》
〔〕:アクセント分解された欧文をかこむ
(例)〔Gu:rtel〕
アクセント分解についての詳細は下記URLを参照してください
http://aozora.gr.jp/accent_separation.html
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一
維也納の 〔Gu:rtel〕《ギユルテル》 街は、ドナウ運河の近くの、フランツ・ヨゼフ停車場の傍から起つて、南方に向つて帯のやうに通つてゐる大街である。そこには、質素な装をした寂しい女が男を待つてゐたりした。金づかひの荒くない日本の留学生は、をりふし秘かにさういふ女と立話をすることもあつた。
西暦一九二二年の或る夏の夕に、僕はささやかな食店
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