するのを実見して、以てその源をも想像することが出来る。
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それから、丹生《にふ》川がある。これは可なり大きい川で、大石田から半里ばかり北方の川前といふところにそそいで寄る。
下流には数個の洲を形成し、常は、水が川原のあひだを数条に分かれて流れて居る。最上川に入るところの有様も大体同じで、数条の川になつてそそいでゐる。そこを鮎もさかのぼるので、丹生川の鮎だといつて賞美されて居る。また、川前の最上川は秋鮭の取れるところで、はるばる海からのぼつてくる雌雄の鮭を取るのである。このへんに鮭の集まるのは、水温の関係だらうといふが、細い調査の出来てゐるわけではないが、鮭の身になつてみれば何かさういふ好い条件があるのかも知れない。去年(昭和二十年)の秋、一日川前に遊び、あのへんの山や最上川畔を逍遥し、水面から鮭の跳ね躍るのを見、土産に鮭をもらつて来たことがあつた。今年は体の都合でそれが出来ないのが心残りである。
さて、この丹生川を下流から上流にむかつて追尋すると、東へ流れて岩ヶ袋の鉄橋を通過し、尾花沢町の北方を流れ、宮沢村の丹生、正厳の南をとほつて、中洲を作つたり支流を合した
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