が木《こ》の間《ま》がくれに建《た》つてゐるかと思《おも》ふと、面白《おもしろ》い風車《かざぐるま》があり、倉庫《そうこ》のような古《ふる》い建《た》て物《もの》が昔《むかし》のまゝに設《まう》けてあるといふ風《ふう》であります。さてその農民小屋《のうみんごや》にはひつて見《み》ると爐邊《ろへん》には薪《まき》が燃《も》やされてあつて、その地方《ちほう》の風俗《ふうぞく》をした爺《ぢい》さんがたばこ[#「たばこ」に傍点]を燻《いぶ》らしてゐたり、娘《むすめ》さんはまた絲《いと》を紡《つむ》いで熱心《ねつしん》に働《はたら》いてゐるといふ實際生活《じつさいせいかつ》を見《み》ることが出來《でき》、また料理屋《りようりや》や茶店《ちやみせ》も各地方《かくちほう》にあるそのまゝの建築《けんちく》で、料理《りようり》もまたその地方《ちほう》の名物《めいぶつ》を食《く》はせ、給仕女《きゆうじをんな》は故郷《こきよう》の風俗《ふうぞく》をしてお客《きやく》の給仕《きゆうじ》に出《で》るといふふうになつてゐます。
[#「第十二圖 スカンセン野外博物館の一部」のキャプション付きの図(fig18371_
前へ 次へ
全290ページ中41ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
浜田 青陵 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング