しゆ/″\》のものがありまして、中《なか》には牙《きば》や骨《ほね》の上《うへ》に動物《どうぶつ》の形《かたち》や人間《にんげん》の形《かたち》を彫刻《ちようこく》したものなどがあります。(第二十二圖《だいにじゆうにず》)これには前《まへ》の時代《じだい》には見《み》られなかつた品物《しなもの》です。そこに、大《おほ》きな平《ひら》たい骨《ほね》のようなものゝ上《うへ》に、象《ぞう》の形《かたち》が彫刻《ちようこく》してあるのを見《み》るでせう。(第二十三圖《だいにじゆうさんず》)これは長《なが》い毛《け》の生《は》えた象《ぞう》であることはすぐ氣《き》づくのでありまして、今日《こんにち》の象《ぞう》とは違《ちが》つて、昔《むかし》シベリアなどに棲《す》んでゐたまんもす[#「まんもす」に傍点]といふ大象《たいぞう》の形《かたち》を現《あらは》したものであります。そのまんもす[#「まんもす」に傍点]の形《かたち》をまんもす[#「まんもす」に傍点]の牙《きば》の上《うへ》に彫《ほ》つたもので、これは珍《めづら》しい品《しな》であります。こゝにあるのはその模造品《もぞうひん》であつて、現物《げんぶつ》はフランスのある博物館《はくぶつかん》に大切《たいせつ》に保存《ほぞん》されてあります。この他《ほか》れんぢゃー[#「れんぢゃー」に傍点](馴鹿《となかい》)の上《うへ》にれんぢゃー[#「れんぢゃー」に傍点]の形《かたち》を彫刻《ちようこく》したものや、人間《にんげん》の形《かたち》などを彫《ほ》つたものも少《すくな》くありません。
[#「第二十三圖 まんもす牙上彫刻まんもす圖」のキャプション付きの図(fig18371_24.png)入る]

      (ロ) 舊石器時代《きゆうせつきじだい》の繪畫《かいが》など


[#「第二十四圖 スペイン・アルタミラ洞天井畫」のキャプション付きの図(fig18371_25.png)入る]
 かように舊石器時代《きゆうせつきじだい》の中頃《なかごろ》から、動物《どうぶつ》などの形《かたち》を彫刻《ちようこく》にして現《あらは》すことが大《たい》そう上手《じようず》になつて來《き》ました。これらを見《み》てもこの時代《じだい》の人間《にんげん》を一概《いちがい》に野蠻人《やばんじん》だとはいへない、たゞ金屬《きんぞく》を使用《しよう》する
前へ 次へ
全145ページ中35ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
浜田 青陵 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング