ることが出來《でき》ます。また近頃《ちかごろ》發掘《はつくつ》されたツタンカーメンといふ王樣《おうさま》のお墓《はか》から出《で》た黄金《きん》づくめのすてきな品物《しなもの》が山《やま》のように陳列《ちんれつ》せられて、見《み》る人《ひと》をびっくりさせてをります。
(ハ) アメリカの博物館《はくぶつかん》
[#「第十圖 メトロポリタン博物館ギリシヤ室中庭」のキャプション付きの図(fig18371_11.png)入る]
アメリカといふ國《くに》は、皆《みな》さんも知《し》つてゐるとほり新《あたら》しい國《くに》でありますが、非常《ひじよう》にお金持《かねも》ちでありますから、ぜいたくをつくした立派《りつぱ》な博物館《はくぶつかん》が近頃《ちかごろ》たくさんに造《つく》られ、その建《た》て物《もの》や設備《せつび》においてはヨーロッパ諸國《しよこく》のとても及《およ》ばないものが少《すくな》からずあります。その中《なか》でも大《おほ》きい美術博物館《びじゆつはくぶつかん》としてロンドンの大英博物館《だいえいはくぶつかん》、パリのルーヴル博物館《はくぶつかん》に優《まさ》るとも劣《おと》らないものは、ニューヨークのメトロポリタン博物館《はくぶつかん》でありませう。こゝにはエヂプト、ギリシヤその他《ほか》西洋《せいよう》の古美術《こびじゆつ》はもとより、日本《につぽん》支那《しな》を始《はじ》め東洋諸國《とうようしよこく》のものを非常《ひじよう》にたくさん集《あつ》めてあつて、とうてい一日《いちにち》や二日《ふつか》では全部《ぜんぶ》見《み》て廻《まは》ることは出來《でき》ないのであります。しかもこの博物館《はくぶつかん》で見物人《けんぶつにん》を驚《おどろ》かすものは、そのギリシヤ、ローマの部屋《へや》の一部《いちぶ》にイタリイのポムペイで發掘《はつくつ》された昔《むかし》の家《いへ》の客間《きやくま》そのまゝを模造《もぞう》してあることです。眞中《まんなか》には庭園《ていえん》があり、噴水《ふんすい》が絶《た》えず水《みづ》を噴《ふ》き出《だ》し、あたりには青々《あを/\》と繁《しげ》つた庭木《にはき》も植《う》ゑてあり、熱《あつ》い夏《なつ》の日《ひ》でも涼《すゞ》しい感《かん》じを與《あた》へ、さながら昔《むかし》の時代《じだい》の人《ひと》と
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