らずあります。その中《うち》でも名高《なだか》いものには、ドレスデンの繪畫博物館《かいがはくぶつかん》、ミュンヘンの繪畫館《かいがかん》、同彫刻館《どうちようこくかん》などを擧《あ》げなくてはなりますまい。ミュンヘンには、また自然科學《しぜんかがく》、(理科《りか》)に關《かん》する方面《ほうめん》の博物館《はくぶつかん》で、世界中《せかいじゆう》で一番《いちばん》よく整《とゝの》ふたものが近頃《ちかごろ》建《た》てられました。ドイツ博物館《はくぶつかん》といふのがそれです。この博物館《はくぶつかん》には電車《でんしや》のことでも、汽車《きしや》のことでも、飛行機《ひこうき》のことでも、潜水艦《せんすいかん》のことでも、らぢお[#「らぢお」に傍点]のことでも、また鑛山《こうざん》のこと、印刷《いんさつ》のこと、その他《ほか》なんでも理科《りか》の學問《がくもん》を應用《おうよう》した爲事《しごと》に關《かん》する品物《しなもの》を、それ/″\その發達《はつたつ》の順序《じゆんじよ》に應《おう》じて竝《なら》べてあります。そして、見物人《けんぶつにん》が自分《じぶん》で隨意《ずいい》にぼたん[#「ぼたん」に傍点]を押《お》すときは、電氣仕掛《でんきじか》けに通《つう》じて機械《きかい》が動《うご》き出《だ》し、見物人自身《けんぶつにんじしん》で實驗《じつけん》が自由《じゆう》に出來《でき》るようになつてをります。ですからもし博物館《はくぶつかん》を詳細《しようさい》に見《み》て行《い》つたならば、中學校《ちゆうがつこう》や大學《だいがく》などに入學《にゆうがく》しなくとも、ひとりで學問《がくもん》が出來《でき》るであらうと思《おも》はれるぐらゐに、すべてに完備《かんび》してゐるのにはまったく驚嘆《きようたん》せられます。
[#「第九圖 ベルリン博物館ベルガモン彫刻室」のキャプション付きの図(fig18371_10.png)入る]
 オーストリアのウインの町《まち》にも、ベルリンよりも一《いつ》そう立派《りつぱ》な博物館《はくぶつかん》が二《ふた》つもあります。イタリイに行《ゆ》きますと、ローマにはバチカン博物館《はくぶつかん》を始《はじ》め、古美術品《こびじゆつひん》を陳列《ちんれつ》した良《よ》い博物館《はくぶつかん》が二《ふた》つ三《み》つありますし、ネープルスや
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