であります。もちろんこの鐵《てつ》の甲胄《かつちゆう》の他《ほか》に、革製《かはせい》のものもあつたと思《おも》はれますが、これはとっくに腐《くさ》つてしまひ、今《いま》は殘《のこ》つてをりません。しかし、これらの甲胄《かつちゆう》をどういふふうに着《つ》けてゐたかといふことは、あの埴輪人形《はにわにんぎよう》に甲胄《かつちゆう》を裝《よそほ》ふたのが遺《のこ》つてをりますので、それを見《み》て大體《だいたい》の恰好《かつこう》を想像《そうぞう》することが出來《でき》ます。(第六十九圖《だいろくじゆうくず》)
[#「第六十九圖 日本古墳發見甲胄」のキャプション付きの図(fig18371_70.png)入る]

      (チ) 馬具《ばぐ》、土器《どき》その他《た》

 たゞ今《いま》までお話《はなし》をしました玉《たま》や鏡《かゞみ》や劍《つるぎ》などは、たいてい古墳《こふん》の中《なか》にある石棺《せきかん》の内《うち》か、石室《せきしつ》の中《なか》の死體《したい》のごく側《そば》に、收《をさ》めてあつたものでありますが、なほ石棺《せきかん》の外《そと》や石室《せきしつ》の中《なか》には、その時代《じだい》の人《ひと》たちの用《もち》ひてゐたいろ/\の品物《しなもの》が收《をさ》めてあります。その中《なか》でもまづ眼《め》につくのは、馬《うま》に使《つか》つた馬具《ばぐ》の類《るい》であります。これには鐵《てつ》で造《つく》つた轡《くつわ》だとか鞍《くら》だとか、その他《ほか》のものがありますが、轡《くつわ》には兩側《りようがは》の鏡板《かゞみいた》といふ部分《ぶぶん》にいろんな飾《かざ》りがついてをります。また鞍《くら》にも金《きん》めっき[#「めっき」に傍点]した透《すか》し彫《ぼ》りの美《うつく》しい飾《かざ》りがあります。それから鞍《くら》から馬《うま》の胸《むね》のところや尻《しり》の方《ほう》に廻《まは》つて行《ゆ》く革《かは》の帶《おび》には、杏葉《きようよう》といふ飾《かざ》りがつけてありまして、その飾《かざ》りはたいてい鐵《てつ》の上《うへ》に金《きん》めっき[#「めっき」に傍点]をした銅《どう》を張《は》りつけ、美《うつく》しい唐草《からくさ》などの模樣《もよう》が透《すか》してあります。またこれに鈴《すゞ》がついてゐるのもあつて、餘程《
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