を示《しめ》す、何《なに》よりもよい證據《しようこ》であります。
(ト) 刀劒《とうけん》と甲冑《かつちゆう》
いまお話《はなし》した古墳《こふん》から出《で》る鏡《かゞみ》は青銅《せいどう》で作《つく》つてあるので、青色《あをいろ》の錆《さび》が出《で》てをつても、腐《くさ》つたものは少《すくな》く、たいてい壞《こは》れないで土《つち》の中《なか》から出《で》て來《き》ます。ところが古墳《こふん》に入《い》れてあつた刀《かたな》や劍《つるぎ》の類《るい》になりますと、その數《かず》は非常《ひじよう》にたくさんありますが、中身《なかみ》がみな鐵《てつ》ですから赤錆《あかさび》になつて、ぼろ/\に腐《くさ》つてしまひ、完全《かんぜん》に取《と》り出《だ》すことはよほど難《むつか》しいのであります。たゞ鞘《さや》の上《うへ》に飾《かざ》つてあつた、金《きん》めっき[#「めっき」に傍点]をした銅《どう》などの部分《ぶぶん》だけが、わりあひによく殘《のこ》つてゐるだけであります。さてこの時分《じぶん》の刀劍《とうけん》の身《み》は、みな眞《まつ》すぐで、後《のち》の時代《じだい》の刀《かたな》のように反《そ》りがありません。また源頼朝《みなもとのよりとも》や義經《よしつね》などの時代《じだい》から後《のち》になりますと、皆《みな》さんも知《し》つてゐるとほり、日本刀《につぽんとう》といふものが盛《さか》んに作《つく》られて、支那《しな》へも輸出《ゆしゆつ》されたくらゐでありましたが、この古《ふる》い時代《じだい》ではかへって支那《しな》や朝鮮《ちようせん》からよい刀劍《とうけん》が輸入《ゆにゆう》されたであります。
刀劍《とうけん》の身《み》の形《かたち》は、たいてい大《たい》した違《ちが》ひはありませんが、柄《つか》の形《かたち》にはいろ/\異《ことな》つたものがありまして、そのうち珍《めづら》しいものには、『くぶつち』の劍《つるぎ》といふのがあります。これは柄《つか》の頭《あたま》が槌《つち》の頭《あたま》、あるひは拳《こぶし》を曲《ま》げたような形《かたち》をしてゐるもので、多《おほ》くは金《きん》めっき[#「めっき」に傍点]をした銅《どう》で出來《でき》て、非常《ひじよう》にきれいなものであります。かういふふうな作《つく》りの劍《つるぎ》は、支那
前へ
次へ
全145ページ中118ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
浜田 青陵 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング