》には石《いし》よりも強《つよ》くてをれ易《やす》くないといふことがその特長《とくちよう》であります。それがために物《もの》を突《つ》き刺《さ》したり孔《あな》をあける錐《きり》の類《るい》、ことに毛皮《けがは》だとか織《お》り物《もの》だとかを、縫《ぬ》つたり綴《つゞ》り合《あは》せたりするためには、石《いし》の錐《きり》は堅《かた》くてもをれ易《やす》くてだめ[#「だめ」に傍点]ですから、それにはどうしても、骨《ほね》や角《つの》でつくつた錐《きり》に限《かぎ》ると思《おも》はれます。また魚《さかな》を釣《つ》る時《とき》の釣《つ》り針《ばり》だとか、魚《さかな》を突《つ》き刺《さ》す時《とき》の銛《もり》にも、骨《ほね》や角《つの》で作《つく》つたものでなければ役《やく》に立《た》たないのでありまして、常陸《ひたち》の椎塚《すいつか》といふ貝塚《かひづか》からは、鯛《たひ》の頭《あたま》の骨《ほね》に、骨《ほね》で作《つく》つた銛《もり》がさゝつたまゝ發見《はつけん》せられたのがありました。これで骨製《こつせい》の器物《きぶつ》が漁業《ぎよぎよう》に用《もち》ひられたことを證據立《しようこだ》てゝをります。(第四十圖《だいしじゆうず》)
しかしこの骨角器《こつかくき》は、當時《とうじ》においてはその數《すう》がたくさんあつたことでせうが、腐《くさ》り易《やす》いために石器《せつき》のように今日《こんにち》多《おほ》く遺《のこ》つてをりません。それから、これら骨角器《こつかくき》によつて獸《けだもの》の種類《しゆるい》を調《しら》べて見《み》ますと、たいてい猪《ゐのしゝ》と鹿《しか》のものであることがわかり、また貝塚《かひづか》から出《で》て來《く》る骨《ほね》や角《つの》の類《るい》を見《み》ても、やはり猪《ゐのしゝ》や鹿《しか》が主《おも》なるものであります。それから推《お》して石器時代《せつきじだい》の人間《にんげん》は貝《かひ》や魚《さかな》の他《ほか》に、主《おも》に猪《ゐのしゝ》だとか鹿《しか》だとかを狩《か》りして食料《しよくりよう》にしてゐたことが知《し》られます。
また骨角器以外《こつかくきいがい》に貝殼《かひがら》で造《つく》つた器物《きぶつ》もないではありませんが、それは主《おも》に裝飾《そうしよく》に用《もち》ひられたもので、中《なか
前へ
次へ
全145ページ中74ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
浜田 青陵 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング