る理由《りゆう》の一《ひと》つでありまして、お蔭《かげ》で私共《わたしども》が皆《みな》さんと共《とも》に石器《せつき》を探《さが》しに行《い》つても、獲物《えもの》があるわけです。
 石器《せつき》には種々《しゆ/″\》の種類《しゆるい》がありますが、その棚《たな》に一《ひと》つ一《ひと》つ品物《しなもの》の種類《しゆるい》によつて分類《ぶんるい》して竝《なら》べてありますから、これからだん/\それを見《み》て行《ゆ》きませう。まづ第一《だいゝち》は斧《をの》の形《かたち》をしたものであります。これを石斧《せきふ》と呼《よ》んでゐますが、長《なが》さはたいてい五六寸《ごろくすん》あるひは二三寸《にさんずん》ぐらゐのもので、形《かたち》は御覽《ごらん》のとほり長方形《ちようほうけい》であつて一方《いつぽう》の端《はし》を削《けづ》つて鋭《するど》くしてありますが、たいていは兩面《りようめん》から磨《みが》いて、ちょうど蛤《はまぐり》の口《くち》のようになつてをります。ですから物《もの》を打《う》ち切《き》るためには餘《あま》り良《よ》く切《き》れるものとは思《おも》はれません。また刃先《はさき》が少《すこ》し廣《ひろ》がつて三味線《さみせん》の撥《ばち》のようになつてゐるのもあり、刃《やいば》を一方《いつぽう》からつけた鑿《のみ》のような形《かたち》をしてゐるのもあります。それらの斧《をの》には横側《よこがは》に刳《ゑぐ》りを入《い》れたものが多《おほ》いのであります。これらの石斧《せきふ》は皆《みな》よく磨《みが》いて滑《なめら》かに光《ひか》るように出來《でき》て、非常《ひじよう》に精巧《せいこう》な造《つく》り方《かた》であります。中《なか》には長《なが》さが一寸《いつすん》ぐらゐもない、小《ちひ》さい美《うつく》しい石《いし》で造《つく》つた斧《をの》がありますが、それは實際《じつさい》の役《やく》に立《た》つものとは思《おも》はれません。多分《たぶん》大切《たいせつ》な寶物《ほうもつ》の類《るい》であつたのでせう。またこれとは反對《はんたい》に、一尺《いつしやく》にも近《ちか》い斧《をの》がありますが、これもまだどうも實用《じつよう》には不適當《ふてきとう》です。おそらく寶物《ほうもつ》か、あるひは石斧《せきふ》を造《つく》る家《いへ》の看板《かんばん》で
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