も温泉宿の生活を好まない。衣服を脱いで度々湯に入る興味は私に持てない。ただ旅に疲れた時、そこに温泉があれば何よりの事と思ふ丈けである。羅馬人が温浴をやり出して其の國が亡びたと言ふ。病人ならぬものが温泉に長滯在することは、身を亡ぼし國を滅ぼすに至るとは、私の固く信ずる所である。
[#地から3字上げ](地球二ノ一 大正一三、一)



底本:「青陵随筆」座右寶刊行會
   1947(昭和22)年11月20日発行
初出:「地球」
   1924(大正13)年1月
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:鈴木厚司
校正:門田裕志
2004年5月18日作成
青空文庫作成ファイル:
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