を加へて、名護の西方小一里にある上《ウエ》ン土《チヤ》の古墓を見に行く。これは島袋君の新に發見せられたもので、化石の澤山ある第三紀層の崖に穿られた洞穴の中に、石棺を澤山收めてあるものである。穴は二つばかりあるが、大きな方の穴の口には、石を以て垣を作つて塞いであるが、それを少し取り除けて中を覗くと、赤や青の彩色ある小さい家形の石棺、或は陶棺、木棺が二十ばかり雜然として並べられ、其の中から白骨が顏を出してゐる無氣味さよ。こゝは名護の古い時代の墓地であらうが、古いと言つても固より足利頃のものである。なほ上の方の山にも同樣の稍々小さい墓穴があり、右手の樹木の茂つてゐる山の上にもあるが、此の山の上のものは、洞穴の内部のみならず、その前の方の山腹まで石棺が露出し、白い髑髏がはみ出してゐる。K博士などならば振ひつく可き處を、私などは寧ろ戰へ上つて早々遁げ出したくなつた。
[#「第一五圖 上ン土洞穴内石棺」のキャプション付きの図(fig4990_05.png)入る]
[#「第一六圖 上ン土上ンヤマ洞穴内石棺」のキャプション付きの図(fig4990_06.png)入る]
運天へ車を急がす道すがら、呉我
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