異國さかな雜談
濱田耕作
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)加牟流知《かむるち》
[#]:入力者注 主に外字の注記や傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「喞」の「口」に代えて「魚」、第3水準1−94−46]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ピチ/\
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私は衣食住ともに無頓着の方で、殊に食べ物に就いてはデリケートの味感がないと見え、たゞ世間普通の意味での甘い物を食べさせられてさへ居ればよいのであつて、マヅイものを食はされても餘り文句は言はない方である。それで自分の家でも、子供達は却つて今日の飯は固いとか、柔か過ぎるとか小言を言つても、私だけは今日は強い飯の流義の家に逗つた日だ、今日は柔かい飯の好きな家庭の人となつたのだと諦めるのであり、お菜があまくてもからくても、やはり甘口の料理屋へ行つたと思ひ、辛口の料理法に出會はしたのだと思つて我慢をするから、細君や女中に向つては至極寛大に取扱ひ易く出來てゐる積りでゐるが
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