りをつっかけた素足の指の爪は真くろに垢がたまっていた。
よいしょ。よいしょ。と云いながら、その呼吸とかけ声が、私の頭上にいきおいよく感じるのを、半分うっとりしながらきいていた。彼のランニングシャツはうすねずみ色に汗と垢がしみついており、体を伸ばす度に、たくましい皮膚と脊柱がみえた。荷物の受け渡しに手先がふれ合った。ガサガサした固い指で、やはり爪垢が一ぱいたまっていた。
最後の小包を手渡す時、私はこれでおしまいであることを告げながら、しばらく、彼の手先と荷物と自分の手先が動かない位置にあることを知った。私は、いきなりぱっと面映い気持を押えられないで無邪気に舌を出して手をはなした。彼はそれを、巧みに放り上げると、そこから、私の上へ飛び降りようとした。私は体をさけようともせず、彼の躍動的な瞬間のポーズにみとれた。どかっと、自分の肩に重みを知った時、彼の唇と私の唇は反動的にわずかふれ合った。私は急にいらだたしい気がして五六歩小走りして他の少年達のところへ来た。
「もうわたしんとこ済んだの。手伝ったげる」
彼等の間にはいって、私は荷物の整理をはじめた。大岡少年は、首にぶらさげた手拭で顔をふ
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