と家庭のこと。その日だって、さっさと帰ればいいものを、電車を神戸で降りると、もういやあな気持になる。十二時半までものんでいました。家から脱出したい。その方法、個人、私一人でどうしても生活すること。或いは結婚。しかし、鉄路のほとりとは、私が承諾をしただけで、それはいつになるかわからぬことなのです。彼が又、解消を云い出すかも知れません。彼には、年よった母が居ましたし、弟達も居るのですから、三番目は、やはり死。それしか、今の苦しさ、家での束縛から逃れることは出来ないのです。私は、いろいろと随分考えたものです。そして最後にうかんだのが、小母様、青白き大佐だったの。
随分冷えて来ました。多分二時すぎでしょう。一応これで今日は終ります。ひる間は、富士正晴氏が来、それから、一しょに外へ出ました。兄との約束を忘れず、兄のところへ行ったのですけど、兄は五時に仕事を終らせることが不可能だったので、私は一まず帰宅しました。夜、兄が帰り、私の友人共が集り、その中には、ここへ書かれた人の中二人が居ます。そして、冗談をしゃべり、のみくいしましたの、私の部屋で。皆がひきあげ、風呂を浴びてから、三十枚近くかいたわけ
前へ
次へ
全64ページ中45ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
久坂 葉子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング