です。だからもう三時かな。明日にします。今日兄はとても快活で、私も一安心だったのです。だけど、私は皆と喋っていても、原稿をかいても、鉄路のほとりのことで一ぱいなのです。小母様、その後の出来事がまだあるのですよ。二十二日まで書きましたね。後、二十八日迄。六日間のこと。小母様、私、どうしてこうも苦しまなければならないのでしょうか。では又、明日、おやすみなさい。
頭髪をあらって、すっかりさっぱりしましたわ。三十日の朝なんです。今日、鉄路のほとりから、何らかの連絡があると思うのです。速達を出して、今日の十時迄に、明日会うことへの返事が来るのです。このことは、又前後重複になるのであとにしましょう。
昨夜のつづき。
小母様、年末も年始も小母様は静かなようですね。
さて、二十三日の朝、私は起き上るとすぐ、青白き大佐のところへ電話致しました。彼は不在でした。私はすぐ手紙を書きました。契約証を返してほしいという。小母様。何という私の行為。昨日、鉄路のほとりに求婚し、承諾したのですよ。だけど、ああ私はその行為に裏附けられるはっきりとした理由をもちません。その夜は、研究所の同人会でした。三軒ばかり飲
前へ
次へ
全64ページ中46ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
久坂 葉子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング