ら光るりっぱな帳場があった。けれどもそこにいっぱい集まっている人たちは、どれもよごれたぼろ[#「ぼろ」に傍点]をかぶった人たちであった。
案内者《あんないしゃ》は例《れい》のりっぱな帳場の前についであった一ぱいの酒をがぶ飲みにして、それから給仕《きゅうじ》の男に自分の行こうとする場所の方角を聞いた。確《たし》かにかれは求《もと》めた返事を得《え》たらしく、また回転ドアをおして外へ出た。わたしたちはすぐあとについて出た。
通りはいよいよせまくなって、こちらのうちから向こうのうちへ物干《ものほ》しのつなが下がって、きたならしいぼろ[#「ぼろ」に傍点]がかけてあった。その戸口にこしをかけていた女たちは、青い顔をして、よれよれな髪の毛《け》が肩《かた》の上までだらしなくかかっていた。子どもたちはほとんど裸体《らたい》で、たまたま二、三人着ているのも、ほんのぼろ[#「ぼろ」に傍点]であった。路地《ろじ》にはぶたが、たまり水にぴしゃぴしゃ鼻面《はらづら》をつけて、そこからはくさったようなにおいがぷんと立った。
案内者《あんないしゃ》はふと立ち止まった。かれは道を失《うしな》ったらしかった。け
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