れからその晩《ばん》は閉《と》じこめられることになった。
「ぼくをぶってくれたまえ」とわたしたちだけになると、マチアが情《なさ》けなさそうに言いだした。
「ぼくの耳をぶつか、どうでも気のすむようにしてくれたまえ」
「ぼくも雌牛《めうし》のそばで、コルネをふかせるなんて、大きなばかだった」とわたしも答えた。
「ああ、ぼくはそれをずいぶん悪いことに思っている」かれはおろおろ声で言った。「かわいそうな雌牛、王子さまの雌牛」とかれは泣《な》き始めた。
そのときわたしはかれに、これはそんなにむずかしいことではないわけを話してなぐさめようとした。
「ぼくたちは雌牛《めうし》を買ったあかしを立《た》てればいいのだ。ユッセルの獣医《じゅうい》の所へ使いをやればいい……あの人が証人《しょうにん》になってくれる」
「でもそれを買った金までもぬすんだものだと言われたら」とかれは言った。「わたしたちはそれをもうけた証拠《しょうこ》がない。運悪くゆくと、みんなはどこまでも罪人《ざいにん》だと思うだろう」
これはまったくであった。
それにさしあたりだれか牛を養《やしな》ってくれるだろうかと、マチアががっかり
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