でつながった。やじうまがわたしたちをつついたり白い歯を見せたり、ありったけひどい名前で呼《よ》んだりした。巡査《じゅんさ》が保護《ほご》してくれなかったら、かれらはひどい大罪人《だいざいにん》でもあるように、わたしたちを私刑《しけい》に行なったかもしれなかった。
 役場を預《あず》かっている人で、典獄《てんごく》(刑務所の役人)と代理執行官《だいりしっこうかん》をかねていた人は、わたしたちを牢《ろう》に入れることを好《この》まなかった。わたしはなんという親切な人だろうと思ったけれど、巡査《じゅんさ》はあくまでわたしたちを拘留《こうりゅう》しなけばならないと言った。そこで典獄は二重になっているドアに、大きなかぎをつっこんで、わたしたちを牢《ろう》に入れてしまった。中へはいってはじめて、なぜ典獄《てんごく》がわたしたちを中へ入れることをおっくうがったかそのわけがわかった。かれはねぎをこの中へ干《ほ》しておいた。それがどのこしかけにも置《お》いてあった。かれはそれをみんなすみっこに積《つ》み重《かさ》ねた。わたしたちはからだじゅう捜索《そうさく》されて、金もマッチもナイフも取り上げられた。そ
前へ 次へ
全326ページ中177ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
マロ エクトール・アンリ の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング