れでわたしの考えが決まった。
「二百十フランで買おう」わたしは事件《じけん》が解決《かいけつ》したと思って、そう言いながら牛のはづなを取ろうとした。
「おまえさん、つなを持って来たか」と百姓《ひゃくしょう》は言った。「わしは牛は売るがはづなは売らないぞ」こう言ってかれは、せっかくおなじみになったのだから、特別《とくべつ》ではづなを六十スーで売ってやると言った。はづなは入り用であったから、もうあとそれでわたしのふところには二十スーしか残《のこ》らないと思いながら、六十スー出した。それで二百十三フランを数えて、それから手を出そうとした。
「おまえさん、なわを持っているか」と百姓《ひゃくしょう》は言った。「わしははづなは売っても、なわは売らないぞ」
 それで最後《さいご》の二十スーも消えてしまった。
 これで雌牛《めうし》はとうとうわたしたちの手にわたった。けれどわたしたちは牛に食べ物を買ってやるにも、自分が食べるにも、一スーの金ももう残《のこ》らなかった。獣医《じゅうい》にはていねいに世話になった礼を言って、手をにぎってさようならを言った。そして宿屋《やどや》に帰ると、雌牛《めうし》をうま
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