りさせたことについてかれに質問《しつもん》した。どうしてかれが犬やさるやわたしに対してあんなにしんぼう強くやれるのであろうか。
かれはにっこり笑《わら》った。「おまえは百姓《ひゃくしょう》たちの仲間《なかま》にいて、手あらく生き物を取りあつかっては、言うことを聞かないと棒《ぼう》でぶつようなところばかり見てきたのだろう。だがそれは大きなまちがいだよ。手あらくあつかったところでいっこう役に立たない。優《やさ》しくしてやればたいていはうまくゆくものだ。だからわたしは動物たちに優しくするようにしている。むやみにぶてばかれらはおどおどするばかりだ。ものをこわがるとちえがにぶる。それに教えるほうでかんしゃくを起こしては、ついいつもの自分とはちがったものになる。それではいまおまえに感心されたようなしんぼう力は出なかったろう。他人を教えるものは自分を教えるものだということがこれでわかる。わたしが動物たちに教訓《きょうくん》をあたえるのは、同時にわたしがかれらから教訓を受けることになるのだ。わたしはあれらのちえを進めてやったが、あれらはわたしの品性《ひんせい》を作ってくれた」
わたしは笑《わら》っ
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